午後4時過ぎ、私はパソコンを操作していた。
「フジヤさん」
おや?
どなたか来られたのかな?
女性の声だ。
日曜日の午後これは、宗教の勧誘かな?
どちら様ですか?
「Aです」
Aさん?
私の貧弱な記憶をひっくり返してみる。
えぇと、ご近所のAさんかな。
私は玄関に行く。
顔を見る。
顔だけだとわからないなぁ。
お宅は誰でしたっけ?と問うわけにもいかない。
話しているとうちに、やはりご近所のAさんだと判明
した。
私がAさんと会うのは、何十年ぶりだろうか?
中学校以来だろうか?
近所に住んでいても、特に交友が無ければ、会うこ
とはない。
まして異性間であると特にそうなりがちだ。
へぇ~、こんな顔になったのか。
中学の頃と随分違うな。
これでは、街で会っても気が付かないな。
中学生の頃は、そこそこの美少女だと思ったのだが、
今はその面影もない。
まぁ、そういうものなのか。
私は、自分のことを棚に上げてそう思った。