私はネットラジオを聴いていた。
DJが次の曲の紹介を始めた。
ン・イザベル・ファウストです」
おぉ、シューマンのヴァイオリン協奏曲か。
これは好きな曲だ。
シューマンの遺作である。
1853年、当時の大ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒム
の依頼によって書かれた曲であるが、なぜかヨアヒムはこ
の曲を演奏しようとはしなかった。
そればかりかヨアヒムは、シューマンの自筆譜面を封印
してしまった。
そのまま、この作品は人々に知られることもなく幻と化し
た。
時は過ぎ、1937年にベルリンの図書館においてヨアヒム
の蔵書の中から発見された。
本当に埋もれていたのだった。
そうした経緯のためか、この作品のレコード録音は極め
て少ない。
CDの現役盤は、数えるほどしかない。
少し前に数えたら、2枚しかなかった。
今回のイザベル・ファウストの盤は新譜である。
レーベルは、ハルモニア・ムンディである。
演奏も録音もとても良い。
なかなか良い盤だなぁ。