不二家憩希のブログ

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ティボーとコルトーのステレオ録音?

 昨日の大晦日NHK-FMで”知られざるドビュッシ
ーの素顔~音と手紙で綴る愛の世界”という番組が
放送された。
 これは年末の特別番組でドビュッシーの生涯をそ
の音楽とともに紹介していくというものであった。
 ナレーターが所々でフランス語で語るという嫌味な
趣向付きだった。
 番組終盤で「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 
第一楽章」の曲紹介があった。
 演奏者はヴァイオリンがジャック・ティボー、ピアノは
ルフレッド・コルトー、とナレーターは言った。
(ほぅ、ティボーとコルトーか。随分古い録音をかける
んだな。珍しい)
 ティボーは1880年生まれ1953年没のヴァイオリニス
ト、コルトーは1877年生まれ1962年没のピアニストで
ある。
 両者とも20世紀前半を代表する大演奏家である。
 その時代のためティボーにはSP盤の録音しか残っ
ていない。
 コルトーもその代表作はSP盤録音の作品である。
 番組で曲紹介されたティボーとコルトーの共演盤も
SP盤録音ということになる。
 SP盤はノイズがカットされているとはいえ、一聴し
てそれとわかる音質である。
 そして曲が流れだした。
(あれ?何だこりゃ?)
 その音はステレオ録音なのである。
 SP盤のものではない。
 そんな録音がティボー&コルトー盤に存在するわけ
が無い。
 誰か他の演奏家の盤を流している。
 これはNHKのスタッフが間違えたのだ。
 こんなミスがあるだろうか。
 しかも、これは生放送ではない。
 放送内容は確認してあるはずだ。
 それでも気付かずに放送したということだ。
 ジャズで例えればチャーリー・パーカーやアート・テ
イタムの録音を他の現代のミュージシャンと間違える
ようなものである。
 なんともお粗末なミスである。
 NHK-FMでは度々こうしたミスを放送する。
 弛んでいるのか。
 それとも一日早く正月気分に浸っていたのか。
 あるいは元々NHKのスタッフが無知なのか。
 いずれにしろ呆れてしまった。
 これは、あってはならない初歩的な間違いなのである。
 2013年にはNHKのスタッフには気持ちを入れ替えて
放送に携わっていただきたいものである。