私は診察券と問診票を受け付けに提出した。
診察券は予約の際に作られたものだ。
検診だけなのに診察券を作るのか。
「今後、体の具合が悪くなったら当院利用をするよ
うに」
「検診で問題点が発見されたら、当院で治療しなさ
い」
そういうことなのか?
あるいは、誰であっても診察券を作るのは、この医
院の決まりなのか。
問診票は事前に渡され自宅で記入してきたもので
ある。
私は、待合室の長椅子に座った。
次々と患者が入ってくる。
繁盛しているなぁ。
医院なので繁盛とは言わないのか?
「はやっている」か?
意味はほぼ同じである。
このあたりの住民は、体が不調になるとこの医院に
来るようなシステムになっているのだろうか。
待合室には、各種の注意書きや告知、医療関係の
ポスターが何枚も貼られている。
こんなに貼って、読む人がいるのだろうか。
少なくとも私が眺めている範囲でそれらの掲示物を
見ている患者は一人もいない。
私は医院自体が珍しいのでキョロキョロと視線を動
かしているが、他の方々は、そうでもない。
どなたも疲れた感じである。
そんな気持ちの余裕が無いのだろう。
無理もない。
好奇心半分で来ている私のような奴は例外なので
あろう。
~続く~