INさんは、こう言った。
「俺たちには何も権限がない。クルマを止めたりな
んてできないよ」
えぇ~、そういうことなのか!?
それでは、私の本音と少しも違わないではないか。
INさんは、こう付け加えた。
「自分たちに事故が無いようにすればいいんだよ」
おぉ~、なんと冷めたものの言い方だ。
ぐうたらサラリーマンみたいでもある。
お祭りに対する熱意が微塵も感じられない。
また、この変わりようはなんだ?
集会所ではあんなに活発に取り仕切っていたのに、
どういうことだ?
現場に来たら別人のようになっている。
表と裏、オンとオフ、といったところか。
町内会活動の大ベテランが、こんな態度で良いのか?
否、これが日本的「本音と建前」の世界なのかもしれ
ない。
公の場である集会所では熱心な住民としてアピール
し空気を盛り立てる。
一方現場においては、現実的な考えの元、冷静に行
動し決して無理はしない。
町内会活動であって、企業や団体、事業所が絡んで
いない。
アクシデントが起これば、自己責任の度合いは限りな
く大きい。
それにしても、このINさんの態度は意外であった。
やる気無く、嫌々参加している私と同じような考え方だ
ったからである。
おぉ~、これが世渡りの術ということか。
町内会活動は、いろいろと勉強になる。
~続く~