夕方、蚊が飛んできた。
刺そうとしているようだ。
やれるものなら、やってみろ。
即刻圧死させてやる。
私は蚊が留まるのを待った。
チクリ。
右足の先がやられたようだ。
少し待って叩く。
失敗だ。
昨日までは、これで対処できたのに、どういうこ
とだ?
再びチクリ。
今度は脇腹に来たようだ。
また叩く。
これも失敗だ。
ウ~ム、いよいよか。
蚊は気温の上昇に伴い、活動が活発化するらし
い。
暑ければ暑いほど、動きは速い。
一方、人間は暑くなると反応能力が落ちる。
これでは、やられっぱなしである。
おのれ、それならばこちらにも考えがある。
大量殺戮兵器投入だ。
私は濃い緑色の兵器の先端に着火した。
そして静かに設置した。
フフフ。
阿鼻叫喚の始まりだ。
これが、わが家での今年の蚊とり線香の使い始
めである。
7月16日のことであった。