オランダ式洗濯が終わり、私は洗濯物を干してい
た。
今朝もこの時期としてはとても暖かい。
シャツを何枚か干し終えたところで、家の前に自転
車が止まった。
自転車の乗り手は若い女性である。
20代前半くらいだろう。
「おはようございます」
女性は私と目が合うと挨拶をした。
そしてこう言った。
「〇〇は、どう行けば良い?」
おや、このあたりの人ではないな。
それも、日本人ではない。
中国人だろう。
〇〇は、この周辺の地域のランドマークになっている
施設である。
それを知らないとは、ここに来て日が浅いのか。
この辺の地理にはかなり疎いのだろう。
私は道に出て、行き方を教えた。
「ありがとうございます」
女性は中国風のアクセントで礼を言った。
そして、自転車の向きを変えて走り出した。
モデルのようなスタイルと容貌の女性だった。
私は、庭に戻ると洗濯物干しを続けた。