家にいたらお隣のKさんが来られた。
「とうもろこしを取れたものだから」と袋を寄越した。
袋はまだ暖かい。
「茹でたばかりだから、早く食べて」
とうもろこしは私の大好物である。
「それから、これなんだけれど」
そう言ってKさんは、紙袋から半袖シャツを出した。
白のポロシャツである。
「うちのお父さんに、ってことで買ったんだけれど、『裾
が長くて嫌だ』って着ないのよ。ほらうちのお父さん背
が低いから」
見るとそれほど長くは感じない。
「じゃぁタロー(仮名・Kさんの息子さん)はって思った
けれど、タローはメタボで着られないのよ」
タロー君は私の一歳年下である。
「それで憩希ちゃんに着てもらおうかと思って持ってき
たのよ」
そう言ってKさんは、ポロシャツを私に手渡した。
ヘェ~、良いポロシャツだな。
メーカーはどこかな。
見るとバーバリーである。
高級品、高額品ではないか。
「これは相当高いですよ」
私がそう言うとKさんはこう答えた。
「う~ん、いくらだったかな?もう忘れた。物が良かった
し、しゃれていると思ったから買ったんだけれど」
チェック柄が縫い込んである。
「新品だし、どうかな、って思って」
ブラスチック製のループタイ風のタグもついたままだ。
紙のタグもついている。
「貰って良いんですか?」
さすがにこれだけのブランド品ははい頂きます、とは
受けとれない。
「良いのよぉ~、着てね」
Kさんは他にも半袖のシャツを3枚を差し出した。
それらは着用歴があるものだが、丁寧にアイロンが
かかった綺麗なものばかりだ。
色目が派手で嫌だとか、おなかが出てきて着れなく
なった、といった理由で私にくれるのだそうだ。
どれもが私にピッタリだった。
全部で4枚も頂いてしまったことになる。
しかも、1枚はバーバリーである。
この記事を記すにあたり、幾らくらいするのかネットで
調べてみた。
16800円のようだ。
えぇ~、そんなにするのか!
ポロシャツの値段ではないな。
そんなシャツを普通に買って値段を忘れてしまうとは、
Kさん恐るべし。
確かにKさん夫婦はいつもちょっとしゃれた格好である。
それにしても、どうしてこんなにくれるのだろう?
そのことについては、明日の当ブログで記すことにする。