不二家憩希のブログ

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広瀬悦子を聴いた。

 NHK-FM”ベスト・オブ・クラシック”で広瀬悦子
のピアノ演奏を聴いた。(以下敬称略)
 いつものように素晴らしい演奏である。
 広瀬は見た目は良家のお嬢さんという感じである。
 それもかなりの名門風である。
 隠しきれない育ちの良さがある。
 おそらく実際に地元ではよく知られた家・一族だと
推測される。
 大人しそうで物静かな感じである。
 「なんとしても売れてやる」といういやしさもない。
 もとよりクラシックの演奏家なのだから、そうであっ
ても不思議ではない。
 この人には「前に出てやろう」「他を押し退けてでも」
というような下品さは微塵もない。
 当然鼻につく押し出しはない。
 芸術家風の気取りもなさそうだ。
 しかし、彼女がピアノの前に座ると様子は一変する。
 その演奏は大音響の壁となり聴衆に押し寄せる。
 大迫力に圧倒される。
 広瀬はピアノを自在に操るばかりではない。
 ピアノを担いで投げ飛ばしそうな感じすらする。
 見た目か細い日本女性にはとても思えない。
 演奏が終わると、また大人しそうな女性に戻る。
 一体、どちらが本当の広瀬悦子なのか?
 普段大人しいぶんステージでは爆発するのか?
 おそるべしである。
 こんなピアニストはちょっといない。
 世界でも稀であろう。
 広瀬悦子は現役クラシック・ピアニストでは世界の5
本の指に入る名演奏家であると私は確信している。
 日本を忘れずに戻って来て演奏をしてほしいものであ
る。
 欧州のファンによる隠れ撮りの映像のようである。
 音が割れているのが残念だが広瀬悦子の生演奏の
迫力が感じられると思う。