6月2日、アル・パチーノはロンドンのパラディアム・
シアターで行われたトークショーでこう語った。
「あの小僧(ブルース・ウィルス)にキャリアをプレゼン
トしたんだ。」
キャリアをプレゼントした、というのはある映画の役
をパチーノが断ったということだ。
その映画とは”ダイハード”である。
ビの”こちらフルムーン探偵社”で人気が出たばかりの
俳優だった。
俳優だった。
この番組での相手役はシビル・シェパードで、シェパ
ードとウィルスの二人が主役だった。
だが当時はキャリアや知名度としてはシェパードの
方が圧倒的に上だった。
ウィルスはこの番組でやっと知られるようになったば
かりだった。
ドラマのメインはシェパードで、ウィルスも主役ではあ
るがその相手役という位置づけだった。
”ダイ・ハード”の公開時、ウィルスは映画界では新顔
だった。
そして映画は大ヒットしウィルスは一躍スターとなった。
作品も続編が何作も作られる人気シリーズとなった。
企画だったとは、驚きである。
パチーノとウィルスは、まるで違う俳優である。
俳優としての資質やキャリア、ファンの持つイメージな
ど大きく異なっている。
”ダイ・ハード”がパチーノ主演だったら、どうなっていた
だろうか?
まるで違う映画になっていたと思う。
パチーノが断った映画はこれだけではなかった。
~続く~