自転車で家を出た。
梅雨とは思えぬほどの晴天である。
幹線道路抜けて田圃の間の道に入る。
この道を走るのは久しぶりである。
田圃から「シューシュー」と音が聞こえる。
見ると田圃の隅の水栓から水が出る音だ。
田圃に水を張っているのだ。
銀色の水栓から勢い良く水が出ている。
水を張り始めた田圃はまだ少しである。
全体の5分の1くらいだろうか。
男性がいる。
土と水が混じった匂いがする。
あぁ、これは子供の頃、よく嗅いだ匂いだ。
自然の匂いでありながら、人がそこにいて手を加え
ないと絶対に発生しない匂いだ。
快晴の空が田圃の水に映っている。
当地の田植えは今週末くらいから始まるのだろうか。
季節の変わり目を感じさせる風景である。
そして当地は少しずつ夏になっていく。