私は2階にいた。
出かけようと思い着替えを始める。
着替え場所の真横には下に続く階段がある。
私はいつもその場所で着替えをしている。
その場所が機能的に一番便利なのだ。
私はそこに立っていてズボンをはこうと足を通そう
とする。
その時、どうしたはずみか、足がズボンに引っか
かった。
バランスが崩れる。
私はよろめいた。
ここで倒れると階段に落ちてしまう。
私は咄嗟に左手で柱を掴み重心をとった。
あぁ~、危ないところだった。
おそらく倒れてもしりもち程度で階段を転げ落ちる
ことはなかったと思う。
だが、その可能性もあった。
見ると左足がズボンと擦れて赤くなっている。
やはり、バランスをとるためにかなりの負荷がかか
ったようだ。
良し良し。
これで厄が落ちた。
私はこういう時に大きな幸運を感じる。
私は着替えを済ませて家を出た。
五月晴れの空の下、自転車を走らせた。