B級グルメという言葉には、本来、自嘲的・自虐的
なニュアンスが含まれている。
A級に比して格下であることをわざわざ意味してい
る。
編集者・ライターといった部外者だからこそ思いつ
いた言葉である。
食品現場の人間の発想ではない。
小馬鹿にしている、とまではいかなくとも面白くな
いと感じている人は多いだろう。
そのため「これこそB級グルメ!」という食品・メニュ
ーを取り扱う事業者は、この言葉を使わない。
ラーメンやお好み焼きといったこの言葉の原点に
ある食品である。
それらを扱う業界では、B級グルメという言葉を無
視もしくは拒否している。
そうなって当然である。
自分たちが心血を注いでいる食品をB級と決めつけ
られることは、侮辱でしかない。
今日そうした業界とは別に、自らをB級グルメである、
と名乗る関係者が存在する。
B-1グランプリ出場を契機に世間に広く知られるよう
になった食品を扱う業者たちである。
彼らはB-1グランプリをビジネスチャンスと位置づけ
利用しようとしている。
そのため”B級”という言葉が持つ意味合いにまで
頓着してはいない。
あくまでビジネスの道具としてB級という言葉を使っ
ている。
この割り切り方は、どうなのだろうか?
ビジネスとして数字が上がれば万事OKなのだろうか。
B-1グランプリに出るのはビジネス目当ての業者・
団体ばかりである。
本当のB級グルメは決して出場しないのである。
これでこの大会に将来があるのだろうか?
~続く~