不二家憩希のブログ

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遠藤太津朗さん、ご逝去。その④

 遠藤太津朗さんは悪代官をはじめとして多くの悪
役を中心に活躍された。
 その悪役もどこか憎めない、ちょっと面白い悪役
が多かった。
 それも悪の非道に徹するのではなく人間味を感じ
させる人物が多かった。
 これは遠藤さんの大きな持ち味の一つである。
 ”悪いのだけれど面白い”のである。
 世に実在する悪人達は、芯から悪人である。
 悪いことを悪いとわかっていながら、平然と悪事を
行うのである。
 良心のかけらも無い。
 遠藤さんが演じてこられたそれらの”ちょっと面白
い悪人”は遠藤さんの創造した作品と言えるだろう。
 何だ、それではリアリティに欠けるな、と思われる
方もおられrかもしれない。
 だが、映画やテレビドラマをあまりにも事実に忠実
に作ってしまうと、かえって面白くない作品になって
しまう。
 緊迫感はあるかもしれないが、息が抜けない。
 身につまされたり、嫌な気分になってしまう。
 何より見ている人の現実を思い起こさせてしまう。
 これでは、夢が見られない。
 遠藤さんは、面白い悪人をえんじることにより作品に
幻想をもたらし、作品をより私達の元へ近づけた。
 この功績は大きいと思う。
 遠藤さんはファンタジーの作り手だったのだ。
 
 ~続く~