ピーター・フォーク追悼で始まった当連載であ
るが、ここで再び改題する。
”P・フォーク~コロンボ警部を生み出す”である。
少し本題から横道にそれることもあるかもしれ
ないが、ご容赦いただきたい。
さて”刑事コロンボ”を元々創作したのは2人組
の脚本家チーム・ウィリアム・リンクとリチャード・
レヴィンソンである。
だが、リンク&レヴィンソンは、原作となるシナリ
オにはコロンボに関してはごく簡単な描写しか施し
ていない。
こうしたテレビドラマや映画の脚本の場合、あま
り細かい点まで指定してしまうと、それに合った俳
優が見つからなく恐れがあるということを配慮して
のことであろう。
俳優は脚本の指示を中心に役作りをしていくもの
であるが、その脚本が役に与える影響度は、その
脚本の種類によって異なってくる。
一つ目はノンフィクションや伝記をそのままドラマ
化・映画化するというケースである。
現実に起こった事件やエピソードを、そのまま作
品にするのである。
この場合は、実在する人物が存在するので、その
通りに演じることが要求される。
ただ、ドラマ化・映画化のお約束として、実際の人
物像よりも美男・美女が演じることが多い。
これは、その実在する人物への気遣いであったり、
ご機嫌とりを狙ってのものだったりする。
あるいは、実在の人物そのままの容姿を忠実に再
現してしまうと、作品としてヒットしないおそれもある。
現実には泉ピ○子のような容姿の女性でも、美人女
優が演じたりする。
テレビドラマや映画にはやはり華が必要なのである。
その程度の嘘は認められているのである。
~続く~