不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

ピーター・フォーク氏ご逝去に寄せて その35

 1960年のピーター・フォークは3本の映画に出
演している。
 1本目は、全米で1月公開の映画"Pretty
Boy Floyd プリティー・ボーイ・フロイド”(日本公
開時には”悪の実力者”と題されている)だった。
 プリティー・ボーイ・フロイド、本名チャールズ・
アーサー・フロイド(1904 –1934)は、ジョージア
州バートー群出身の実在した犯罪者である。
 フロイドは18歳の時、地元の郵便局で3ドル
50セントを盗み逮捕された。
 その3年後、ミズーリ州セントルイスで給料強
盗をし5年間服役した。
 この時、刑務所に入れられ宣誓釈放(日本で
いう仮釈放のようなもの?)される際「二度とこの
ようなところには入らない」と誓った。
 だが、すぐにカンザス州で悪い仲間に入り銀行
強盗をくり返した。
 プリティー・ボーイとは”美少年”という意味のあ
だ名で、彼がカンザスシティーで他の二人の仲間
と共に銀行強盗をした際、銀行員が「ただの少年。
リンゴのほっぺを持った可愛い少年」という証言に
よる。
 だがフロイド自身は、このあだ名を嫌っていた。
 フロイドは抵抗する者には、容赦なく銃を向け何
人もの警官を射殺していった。
 彼は罪を重ね、30歳の時にFBIによって射殺され
ている。
 フロイドは短い一生の多くを犯罪者として過ごし
たのだが、大衆からは大いに支持されていた。
 それは、フロイドが銀行強盗の際、そこにあった抵
当証券を焼き捨てたからである。
 また匿ってくれた人たちには金を渡していた。
 こうした行為からフロイドは、義賊と見なされた。
 ある時、フロイドはクルマで街に乗り込み大声で
「俺がプリティー・ボーイ・フロイドだ!」と名乗った。
 その姿に人々は声援を送り、見守った。
 フロイドは公衆の面前で銀行強盗を行ったのだった。
 こう記していくと(何だか嘘みたいな話だなぁ)と思
われるかもしれないが、事実として記録に残っている
のである。
 それどころか、フロイドは歌にもなっている。
 初期フォーク・ソングの大物、ウディ・ガスリーはフ
ロイドを題材にした歌を作り歌っている。
 この曲は、後にボブ・ディランやバーズによってもカ
バーされている。
 フロイドの葬儀には何と2万人とも4万人とも言われ
る人が参列した。
 そして彼が撃たれたオハイオの地には記念碑まで
建っている。
 あぁ、米国人ってわからないなぁ。
 これが国民性の違い、文化の違いというものであろ
うか。
 フォークは、この映画に”ショーティー・ウォルターズ”
という役で出演している。
 実に悪役っぽい役名である。
 配役序列は10番目なので、出番もセリフも少なかっ
たものと思われる。
 映画自体は、インディペンデント・プロダクション制作
の白黒作品で資料も殆ど残っていない。
イメージ 1
 イメージ 2
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 映画ポスターと記念碑
「プリティーボーイフロイドここに没す」とか
記してある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 バーズ
 
 バーズの元メンバーでロジャー・マッギン。
 エリック・クラプトンも尊敬している名ギタリストで
ある。
 マッギンは今はベンチャーズに参加しており、毎
年のように来日している。
 
 それにしても、こんな歌にしてしまうとは。
 米国文化はわけがわからない部分がある。
 
 ~続く~