算局で勤めると同時に、”マーク・トゥエイン・マ
スカーズ”というコミュニティー劇場グループに
加わった。
”俳優”ピーター・フォークが、いよいよ始動で
ある。
だが、この時点では、プロではなく未だアマチ
ュアである。
そこでは、クリフォード・オデッツ作の”カントリ
ー・ガール”や”るつぼ”といった作品を演じた。
フォークは、またコネチカットのウェストポートに
ヌ指導のクラスで演技の勉強をし始めた。
高名な女優、プロデューサー、演出家である。
ブロードウェイや商業演劇で成功を収め、自身の
劇場も持っていた。
彼女はこの時50歳代後半で既に多くの俳優を
指導していた。
このクラスはプロの俳優向けであったのだが、
フォークは嘘をついてこのクラスを受けていた。
フォークは毎週水曜日にこのクラスのためハ
フォークは毎週水曜日にこのクラスのためハ
ートフォードからウェストポートへクルマで通って
いた。
ハートフォードからウェストポートまでは結構な
距離がある。
地図で見ると100㎞以上は離れている。
予算局での勤務を終えてからクルマを飛ばす。
これは相当な時間はかかる。
そのためフォークは、いつも遅刻していた。
フォークは後年当時を思い出して語っている。
「ある夜、私が到着した時、彼女(エヴァ・ル・ガ
リエンヌ)は私にこう尋ねたんだ。『若い人、どう
してあなたは、いつも遅刻するんですか?』」
「私は『ハートフォードからクルマで来ているもん
ですから』と答えた。」
「彼女は自分の鼻を見渡してこう言った。『ハート
フォードで何をしているんですか?あそこには劇
場だって無いでしょう。あなたは、どうやって生計
を立てているんですか?』
フォークは自分がプロの俳優ではないことを白
状した。
ガリエンヌは厳しい目でフォークを見てこう言った。
「あなたは、プロになるべきです」
ピーター・フォークにプロ入りを決意させたのは、
そして、フォークはハートフォードへ戻ると、予算
局の職を辞したのだった。
相当離れている。
~続く~