不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク氏ご逝去に寄せて その⑬

 政府予算局に勤めている時のピーター・フォー
クは、どんな役人だったのだろうか。
 ピーター・フォークが、かつて役人だったという
こと自体がちょっと信じられないようなことではある。
 フォークは、後年インタビューに答えてこう語っ
ている。
「私は「能率向上技師」だったんだよ」
 この能率向上技師というのは、どういう役職なの
だろうか。
 能率技師といった場合は、経営コンサルタント
ことを指すらしいが、フォークが勤務していたのは
政府予算局である。
 フォークの場合、会計士の資格を持って役所に
勤めていたのだから、普通の役人とは少し違うの
だろうか。
 どういう立場なのか、おわかりになる方は是非ご
指摘いただきたいと思う。
 フォークへのインタビューは続く。
「私は出勤初日に自分がこれから働く建物が見つ
けられなかった。私は、そんな能率向上技師だっ
たんだ」
 う~ん、予め下見をして確認しておくということをし
なかったのか?
「当然、私は遅刻した。その上、私は勤めている
間はいつも遅刻していた」
 役人なのに遅刻の常習犯だったのか。
「だけど皮肉にも、年中遅刻するっていう私のクセが、
私をプロの俳優へと歩み始めさせたんだよ」
 昨日の記事に記したように、フォークはエヴァ・ル・
ガリエンヌに遅刻を叱られ、自分がアマチュアであ
ることを白状し、その時、プロになるように勧められて
いる。
 その言葉を聞いてフォークは政府予算局を辞めた
のだ。
 確かに遅刻がプロ俳優になるきっかけになっている
わけである。
 あるいは、連日役所に遅刻していたということは、
役所勤めそのものが性に合わなかったのかもしれない。
 政府予算局の役人から俳優へ転身とは、随分思い
切った決断だと思う。
 安定から不安定へ、畑違いも甚だしい。
 だが、フォークはそれほどにも演じることに魅了され
ていたことは間違い無さそうだ。
 
 ~続く~