不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

遭難現場で大統領が演説。

 私はチリの落盤事故からの救出作業を見てい
た。
 チリの大統領が来ている。
 それも夫人同伴だ。
 こんな場面に大統領が来るのか。
 しかも作業開始前から2時間以上ずっと現場に
張り付いている。
 首都で他にすることがあるだろう。
 公務は無いのか?
 奥さんを連れて来る必要があるのか?
 まるで選挙運動みたいではないか。
 救出作業が始まった。
 そして一人目が救出された。
 すると大統領は演説を始めた。
 遭難現場で演説!?
 何だそりゃ?
 それも、まだ一人目が助け出されたばかりであ
る。
 その演説の態度は救助活動が全部終わり大成
功したかのようである。
 そして、翌日。
 この日も大統領と夫人が現場に来ている。
 救助は進み開始から約24時間後、最後の遭難
者が救出された。
 そしてまたもや大統領は演説を始めた。
 国章入りの演説スタンドも用意されている。
 遠景には救助カプセルを引き上げている黄色い
滑車が回っている様子もしっかり入っている。
 さすが、この大統領は放送局のオーナーでもある
大富豪だけのことはある。
 
 私はこれ一連の光景を見ていて呆れてしまった。
 これがラテン気質なのだ、ということなのか?
 だとしたら、この国がいつまで経っても発展しない
理由がここにあると言える。
 熱狂は決してクリエイティブには作用しないからで
ある。