昨日の午後5時過ぎ、ご近所のTさんがお孫
さんと一緒に道に出て何か騒いでいるのが聞こ
えた。
「屋根の上にいたのが見えた」
「まだ、いる?どこにいる?」
私も外に出て「どうしたのですか」と尋ねようか
とも思った。
だが私はちょうどその時トイレの掃除をしていた。
それで外に出て聞くのは止めた。
トイレ掃除は一気に済ませてしまいたいのだ。
それにTさんは日頃から大袈裟な人で、何かと
すぐに大騒ぎする傾向のある人である。
それで私は「あぁ~またかぁ~」と思ったのだ。
しばらくして、その大騒ぎの声は止んだ。
なぁ~んだ、それほどのことではなかったのか。
そして翌朝、Nさんが家の前の道を通りがかった
ご近所さんと話をしているのが聞こえた。
「それでねぇ、昨日うちの近所に猿が出たんだって!」
猿!?
猿が出ただと!
当地は猿が出るような場所ではない。
田んぼ近くにあるが山は無い。
何でここに猿が出る?
山からはるばる歩いてやって来たのか?
だとしたら何キロもある道中で人に見つかっていそ
うなものだ。
途中には大きな工場地帯もある。
そこを抜けてくるとはちょっと考えられない。
あるいは電車に乗って来たのか?
だが我が家の近くの線路はJR線で、お猿の電車
ではない。
電車に乗ったとしても車掌にすぐに見つかってしま
うだろう。
やはり乗り物は利用せず、歩いてやって来たに違
いない。
それにしてもどうして猿が出現したのか?
家庭でペットで飼われていたのが逃げ出したのか?
その猿はどこへ行ったのか?
今のところ、その猿の消息はわかっていない。