不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

初盆法要へ行ってきた。その⑫

 私は玄関前に敷かれたござで靴を脱ぎ家の中に入っ
た。
 中は人で埋まっていた。
 どこへ座れば良いのかな?
 こういうことは少し迷う。
 おっと、その前にトイレに行っておこう。
 一度座ったら立ち上がるのも難しくなりそうだ。
 用を済ませた後、戻ろうとすると当主がニコニコしなが
らやって来た。
 おぉ、この人も愛想が良さそうな人だな。
 当主は私に用事があるようだ。
 そして私にこう切り出した。
ペンネーム○○さんへ□□さんから、ことづかっていま
す」
 そう言って品物を渡そうとする。
 えぇ!?
 いきなり何だ?
 ○○とは私がネット上で主に使っているニックネームで
ある。
 そのニックネームの主が私であることを、どうして当主
が知っているのだ?
 それに□□さんとは誰だ?
 私は戸惑った。
 だが、すぐに事情を察した。
 先日、私はこの地にお住まいの方のブログに簡単な相
談を持ちかけ、その方からアドバイスを頂いたのだ。
 □□さんはその方でなのである。
 □□さんは、お盆にこの親戚の家を訪れるであろう私の
ために、その品を用意し当主に託してくださったのである。
 その品は□□さんの手作りによる木工製品だった。
 うわぁ~、何という心遣いだろう。
 また、ネット上のおつきあいの方から立体空間でのコン
タクトを頂けるのは、とても新鮮な感じがする。
 いつもテレビで見ていた有名人と会うような嬉しい感覚
である。
 当主の話によると、その方はネットの他にもメカニックに
詳しいことでご近所にも知られている存在のようだ。
 ちなみに当主の家ではネットなどの電脳空間における
利用は家の方針として一切行っていない。
 そのおかげか、私がブログをいつも記しているなどとい
うことを尋ねられなくて済んだ。
 後になって気がついたのだが、当主に□□さんの住所
を教えてもらい、お宅に挨拶に伺っても良かったかな、と
思った。
 しかし、その時はそういうことを思いつく余裕はまるでな
かった。
 多くの親戚がいる中でどういう風にしていたら良いのか、
そればかり考えていたからである。
 
 ~続く~