実生活でも安浦刑事だった藤田まことさん。

　昨日の「踊る！さんま御殿」を観ていたら、
興味深いエピソードが紹介されていた。
　女子格闘家の風香は元々は歌手志望で日本
の人気ボーカル・グループのＳＰＥＥＤに入
ることを熱望していたそうだ。
　そもそも他所の人間が途中からＳＰＥＥＤ
に加入できるものなのか？という点はさてお
き、風香はどうしてもＳＰＥＥＤに入りたか
ったそうで、今でもその希望は捨てていない
そうだ。
　このように、風香と言う女性はちょっと思
考能力に欠けると推測される点があり、日頃
から詐欺の被害に頻繁に遭っていると言う。
　ある日、風香に電話がかかってきた。
　電話の相手は風香には心当たりが無かった。
　だが、電話の男は「ミニ・スカ・ポリスに
出演させてやる」と誘いをかけてきたそうだ。
「ミニ・スカ・ポリス」とは低俗なドラマで
はあるが、それなりにヒットしていた番組で
ある。
　風香は、その話に飛び乗った。
　しかし、話をすんなりとは進まなかった。
　男は「ミニ・スカ・ポリスは早朝ロケが多
いから、適した場所に引っ越さなければ駄目
だ」と言って、風香に引越しを促しその手付
金を要求した。
　風香は人気ドラマに出られるのなら、と応
じ支払った。
　その後も「衣装代が必要だ」などと言って
様々な理由でお金を求めてきた。
　この話を聞いた風香の母親が話に疑念を感
じ、知人に相談した。
　その相談相手が、何と藤田まことさんだっ
たのだ。
　藤田さんも、この話はおかしいと察し、い
ろいろと調査をしてくれたそうだ。
　すると、その男の会社は実体が無いもので、
行為自体も詐欺に間違いないというものであ
った。
　これは何とかせねばならない。
　すると男はまたしてもお金を要求してきた。
　お金の受け渡し場所は、新宿のホテルと言
うことになった。
　話を聞いた藤田さんは、「ちょうどのその
日にドラマのロケで新宿にいるから、男に会
いに行く時には連絡をくれ、私も立ち会うか
ら」と言ってくれた。
　当日、約束の時間が来ても藤田さんは来な
い。
　ロケが押していて来られなかったのだ。
　そのドラマというのが「はぐれ刑事・純情
派」であった。
　風香は仕方なく一人でホテルに向かうと、
ホテルに着くと間もなく藤田さんが駆けつけ
てくれた。
　藤田さんは帽子を目深にかぶっている。
　いよいよその男と面会である。
　藤田さんは「何をしているんだ！」と言っ
て男を羽交い絞めにした。
　そして警察に連絡を取って突き出してくれ
たそうだ。
　風香はお礼を言うと、藤田さんは片手を挙
げて
「山手中央署の刑事ですから」とだけ言って
時間が無いから、と急いで帰って行ったそう
である。

　何とドラマチックな話だろう。
　藤田まことさんは実生活でも人情刑事のよ
うな人だったようだ。

　藤田さんがいなくなって本当に寂しい。