不二家憩希のブログ

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冷蔵庫を止めた。その④

 12月の初旬頃、いつものようにその冷蔵
庫の冷凍庫に物を入れようと扉を開けた。
 物を入れた瞬間、私は冷凍庫の異変に気が
付いた。
「生ぬるい!」
 自分の生活態度などの生ぬるさは大目に見
たとしても、冷凍庫の生ぬるさには目をつぶ
ってはいられない。
 これは冷凍庫の温度ではない。
 多少冷えてはいるが、それは冷蔵庫並みで
しかない。
 仲の冷凍物を触ってみる。
 柔らかくなっている!
 カチカチに凍っている筈の物が、手で押さ
えれば手の跡が付くほどになっている。
 これはまずい。
 冷凍庫の中味が全滅してしまうのか?
 私の背筋に冷たいものが走った。
 冷凍庫は冷えていないのに、私の肝は瞬間
冷凍されてしまったようだ。
 私は咄嗟に冷凍庫内の温度調節を「中」か
ら「強」に切り替えた。
 今までは「中」だったので、それを「強」
にすれば何とか持ち直すのではなかろうか?
 私はそう考えたのだ。
 私はすぐに冷凍庫の扉を閉めた。
 いよいよ壊れ始めたのか?
 否、これは一時的なもので、「強」にすれ
ば、まだ使えるのではなかろうか?
 電器関係詳しい方なら、最適の判断と行動
が取れるのだろうが、私はそうではない。
 駄目かも、と思いつつも、根拠もなく楽観
的に見てしまっている部分もある。
 とりあえず、今日はこのままにしておいて、
明日になったら、また様子をみよう。
 私はヤブ医者のように冷蔵庫を見てそう思
った。

 ~続く~