物入れの覆いを取り替えた。

　先日の台風では当地とその近隣の市町では
大変な被害が出た。
　我が家も被害というほどではないが、ほん
の少しだけ影響があった。
　我が家の庭先には屋根がある部分があり、
その下に自転車などを置いている。
　そこには簡単な物入れも置いてある。
　それはかつて我が家の玄関で靴箱として使
っていたものなのだが、玄関を改修した時に
家の外に追い出されたのだ。
　中には私の革靴や自転車の空気入れなどが
入っている。
　革靴は買った時はそれなりに高かったもの
ばかりなのだが、何度か履いた中古品である。
　中古の革靴など盗む人はいないだろう、と
いうことで外に置いているのである。
　台風前はその物入れの前面をビニール繊維
のレジャーシートのようなもので覆っていた
のだ。
　中に入っているのは大したものではなくと
も、ここに物が入っていますよ、ということ
を未知の侵入者に知られるのもどうか、と思
っていたからだ。
　もっともそのシートをめくってしまえば中
は簡単に空けることが出来るので、防犯の役
目は果たさない。
　ただ、意図してめくるのを避けてもらおう、
ということだけである。
　そのシートが台風でびりびりに破れてしま
ったのだ。
　さすがに５０年に一度の規模の台風である。
　そのままボロボロのままにしておくのもま
ずい。
　それで私は新たに物入れを覆っておく布を
買いに行くことにした。
　
　向かったのは、手芸用品のチェーン店であ
る。
　この店は県内を中心に広く展開していて市
内に２店舗もある。
　私は何度か入ったことがあるが、大したも
のは買ったことがない。
　それでも、こうした店を覗いて見るのも面
白いものである。
　そこはなかなか繁盛しているようで、行く
といつもお客さんが何人もいる。
　さて、布は何処にあるのか？
　いつもは特に買う予定が無くて見ているだ
けなので、何度も来ているのに何処に何があ
るのかよくわからない。
　それで店内をぐるぐる回ってようやく見つ
けることが出来た。
　生地もいろいろあるなぁ。
　そうか、無地のものよりもプリントがある
ものの方が高いのか。
　私は、そんな簡単なこともよく知らないの
である。
　私はただの覆いに使うだけなので、無地の
生地で十分である。
　それにへたに動物のプリント入りの生地に
したら、通りかかった子供にめくられてしま
うかもしれない。
　色は何色にしようか？
　こういう時にセンスというものが伺われる
ものだが、私は｛迷ったらオーソドックスに」
というのが基本方針である。
　それで茶色にすることにした。

　すると男性のお客さんが来て「スパンコー
ル下さい」と店の人に言っている。
　男でスパンコールかぁ、何に使うのかな？
と思ってその人の顔を見てみたが、普通の男
性のようである。
　人それぞれである。
　スパンコールを何に使おうと自由である。

　私は会計を済ませ、すぐに家に戻った。
　そして、シートを完全に外し新しい布と取
り替えた。
　これでしばらく大丈夫だろう。
　私にしては珍しくスムースに作業が出来た
ので気分が一層良くなった。