不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

無形民俗文化財指定記念の紅白餅。

 町内会の役員さんが家に来た。
「今回、県の無形民俗文化財に指定されたこ
とを記念してもちを配ることになったもので
すから、これを」
 役員さんは、そう言って袋を私に渡した。
 袋の中には、紅白の餅が入っている。
「一戸に白餅一個と赤餅一個ずつを配ってく
ださい」
 先日の町内会の役員会議で、文化財指定を
記念して餅投げをするか、餅を配るかしたい
です」と言っていたが、配る方になったのか。
 ちなみに当地では餅投げといい餅まきとは
言わない。
 餅投げをするとなると、会場は氏神様だ。
 そして人が信じられないほど集まる。
 ここの町内の人たちは餅投げが余程好きな
のか、皆が熱狂して投げられた餅に群がる。
 餅投げというより、餅奪いである。
 私も子供の頃に行ったことがあるが、ちょ
っと怖いくらいであった。
 あれでは投げる役員の方も腰が引けそうで
ある。
 そんな弱肉強食的な餅投げよりも、平和に
おさまる各戸配布という形式をとったのであ
ろう。
 餅は丸餅で一個ずつビニール包装されてい
る。
 それにパソコン印刷されたシールが貼られ
ている。
「祝指定」と赤字で、続いて「○○祭 無形
民俗文化財」とある。
 製造者は町内の和菓子屋さんである。
 このシールもその和菓子屋さんで作ったの
だろか?

 お祝い事にお餅を配るというのは、なんと
も日本的で良い。
 あ~目出度いんだなぁ、という感じが確実
に伝わってくる。
 
 私は、まだやわらかいつきたてらしいその
お餅を受け取ると、早速配りに家を出た。