不二家憩希のブログ

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「ガメラもつらいよ」その①

 平成ガメラ・シリーズは、その現実味のあ
る状況設定により、怪獣映画のファンに強く
支持されているようである。
 こういった怪獣映画の場合、そもそも怪獣
の存在そのものが荒唐無稽なので、怪獣以外
の設定に関してリアリティーを持たせること
が重要になってくる。
 そうしないと、いくら怪獣ファンであって
も、観ているうちに醒めてきてしまうからで
ある。
 平成ガメラ・シリーズは、その点において
特に力が入っている。
 特に登場人物のドラマが細かく描かれてい
る。
 怪獣映画なのだから、人間は添え物程度で、
という考え方は今の時代では通用しないので
ある。
 怪獣に遭遇することにより、人生を翻弄さ
れることになってしまった人達の嘆きまで語
られているのだ。
 これは、平成ゴジラ・シリーズには無かっ
た切り口である。
 そりゃ、いきなり怪獣が現れて街を壊して
いけば、人間はひとたまりも無い。それまで
の普通の暮らしが瞬時に破綻してしまうかも
しれない。
 こうしたことは、今まで観客の多くが薄々
感じていたことではあるが、映画の中で扱わ
れることは無かった。
 平成ガメラでは、そのあたりを丁寧に描写
しているのである。
 
 平成ガメラ・シリーズは、徹底したリアリ
ティーの追及により怪獣映画の歴史において、
一つの分岐点をもたらしたのである。

 だが、こうした手法は、怪獣映画以外の有
名映画においては、既に用いられていたので
ある。
 その映画とは何か?

 ~続く~