郵便局のキャッシュカードを探す。

　郵便局へ入金に行った。
　料金振替のため口座にお金を入れておかな
ければならない。
　私は郵便貯金の口座は振替専用に使ってい
て残高は殆ど無いからだ。
　そこで私はあることに気がついた。
「あれ、私は郵便局の口座のキャッシュカー
ドは持っていただろうか？」
　思い出してみるが、使った記憶が無い。
　だが、カードを受け取ったような気もする。
　私はカードを保管していそうな場所を探し
てみるが見つからない。
　だが、ここはとり合えず郵便局に行くとす
るか。

　私は、郵便局でATMで入金を済まし、窓口
で尋ねてみる。
　すると係の女性は、通帳を見て言った。
「はい、この通帳にはカードは発行されてい
ます」
　そうだったのか。
　私がいつも以上にアホ面をしていると、そ
の係の女性は、念のためコンピュータで確認
してみると言う。
　やはり、結果は同じで確かに発行されてい
るそうだ。
　再発行にどうすれば良いのか聞いてみる。
　それには、通帳と印鑑と身分証明、それに
1000円かかります、とのことだった。

　家に戻ってから、もう一度カードを探して
みる。
　私は防犯を考えて、通帳や印鑑の類は外部
の人間には簡単にはわからない場所に保管し
ている。
　そこまでは良いのだが、問題なのはその隠
し場所を私本人が忘れてしまうのだ。
　あ～、犬や百舌並みの記憶力である。
　可能性がある場所をひっくり返してみる。
　何しろ見つからなかったら1000円かかるの
だ。1000円取られるとなると、探し方にも熱
が入る。
　しばらくすると、カードは見つかった。
　あ～良かった。
　1000円儲かったような気がしてきた。

　それにしても、人は間抜けだと生活に余計
な手間がかかるものである。