不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

宝くじに当たって解雇された人。

 高額の宝くじに当選したことで事件に巻き
込まれてしまった人のことが報じられている
が、かつて私の周辺にも宝くじで災難に会っ
た人がいる。

 その人は当時60歳少し手前の独身の一人暮
らしの女性である。
 悪人と言うほどではないが、かなりきつい
性格で職場でも周囲の評判はあまり良くなか
った。
 彼女の立ち居振る舞いに怒った取引先の人
が、その女性の勤める会社に「あのような人
は解雇してしまえ」と申し入れることもしば
しばだった。
 取引先の人にまでそう言われるのだから、
相当なものである。
 そう言われても、彼女を雇っている会社が、
はい、そうですか、と応じるわけはなかった。
 それに、彼女は仕事が出来る女性で業績も
良かったからである。
 それで彼女の勤務先の社長も彼女をかばっ
ていた。
 その会社の社長は、いわゆる雇われ社長で
会社のオーナーは別に存在していたが、その
オーナーも彼女を常に擁護していた。
 会社と言うものはそういうもので、犯罪に
でも手を染めない限り、業績の良い女性をそ
う簡単にくびにすることは無い。
 その彼女が、宝くじに当たった。
 当選金は500万円であった。
 彼女は、この当選話を周囲に吹聴した。
 この当選話は、会社のオーナーの耳にも入
った。
 オーナーは、この話を聞くとすぐに機嫌が
悪くなった。
 そして彼女をすぐに解雇してしまった。
 そのオーナーは、彼女が宝くじに当たった
ことに大いに動揺し嫉妬したのだ、
 羽振りの良い金持ちが、大金とは言え他人
が受け取った500万円のお金に気持ちが左右
されるのだろうか、と思われるかもしれない
が、現実にそうなったのだから仕方が無い。
 金持ちの内面には、どうもわかりかねる部
分があるようだ。
 解雇の現場に居合わせた人によると、その
オーナーは「500万円もあれば良い退職金にな
るだろう」と言ったそうだ。
 何だかよくわからない理屈である。

 宝くじで幸せになった人も世の中には大勢い
らっしゃるかもしれないが、どうもそうでも
無い人も多いような気もする。
 私も、もし宝くじが当たっても黙っている
ことにしよう。
 だが、私は基本的に宝くじを買わないので、
当たることもないだろう。
 う~ん、残念。