不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

伯父から荷物が送られてきた。その③

 椎茸の次に入っていてのはお米だった。
 この米は、伯父が作ったものである。
 伯父は若いうちから週末農家だった。
 定年後も、公民館の館長をやったり名誉職
なのか押し付けだかわからないような仕事を
したりしながら空いた時間に農家をしていた。
 今はそれらの仕事からも開放され、フルタ
イムの農家をしているのである。
 伯父は農家と言う仕事を好きでやっている
のかどうかわからなかったのだが、現在でも
こうして米作りをしているところを見ると、
おそらく農業が好きなのだろう。
 ただ「俺は農業が好きだぁ~!」と丘の上
から叫ぶほどのものではなく、土地とかがあ
るので淡々とやっているだけなのかもしれな
い。
 この伯父は私と違い、人がやることは何で
も出来るタイプの男なので特に何とも思って
いないのかもしれない。
 
 伯父が作る米は甥の私が言うのも気が引け
るのだが、とてもうまいのだ。
 普段飛びきり安い米を食べているためかも
しれないが、そのうまさは格別である。
 有名産地のブランド米と同じくらいの味が
するのだ。
 伯父の住む土地は、米の名産地ではない。
 特に米作りが盛んな土地でもない。
 伯父の腕が良いのか、それとも偶然か?
 否、伯父は毎年高水準の米を作っているよ
うなのでまぐれと言うことはなさそうである。
 あの類人猿に近い顔で、良くぞこのような
おいしい米が作れるものである。
 やはり、人は見かけではないようだ。
 伯父はそれらの米を自家用として作ってい
るのである。
 これを本業としてやれば結構なビジネスに
なるのにな、と思うのだが、おそらく私のよ
うな素人が考えるほど甘いものではないのだ
ろう。
 あるいは、自家用で責任が無い立場で作っ
ているので良いものが作れる、ということも
あるのかもしれない。

 ~明日に続く~