不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

「判明した」とは便利な言葉である。

 王子製紙三菱製紙大王製紙北越製紙の製
紙大手4社は16日、インクジェット紙を使った
年賀はがきなどで古紙配合率が基準以下だったこ
とが判明したと発表した。
 この「判明した」と発表したという表現は、何
か自らの組織が起こしたことを、他人事のように
感じさせる。

 企業の不祥事の場合、多くの場合、会社の経営
トップがまるで知らないでいたということは、ま
ず考えられない。
 経営トップが全面的に関与していることはなく
とも、認知、黙認はしているのだ。そうでなけれ
ば、対外的に発表しなければならないような不祥
事は、起こしたくても起こせないものである。
 実は社長も知っていました、皆でやりました、
とは言えないものだから、こういう表現になる。
 「判明した」という表現には、よく調べてみた
ら不祥事が起きていました、というとぼけたニュ
アンスが感じられる。
 また、この表現には不祥事と会社との間にワン
クッションおく効果がある。
 こう表現することにより、組織へ与えるダメー
ジを軽減しようとしているのである。
 しかもこの表現は、使う者に正義があるかのよ
うな印象を与える。
 だが、調査した人も社内の関係者なので、残念
ながら同じ穴のムジナなのである。

「判明した」とはなかなか便利な言い回しなので
ある。