不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

サブプライムと今後の見通し

 私が聞いた専門家の話によると、今回のサブプライム
問題の大きさは、かつての日本のバブル景気やITバブル
に匹敵するのではないだろうか、というものだった。
 だが、日本のバブル景気の頃と今回のサブプライム
題とでは、大きく異なる点があることに私は気がついた。
 それは、バブル景気の最中では「あー、今はバブルだ
なぁ」というように当時の異常な現状に気がついていた
人間は殆どいなかったのに対し、サブプライム問題につ
いては誰もが問題として認識している、という違いがあ
るのだ。
 バブル景気の場合、バブルが終わって、じわじわと不
景気の風が吹き始めてからようやく、あれ?おかしいぞ、
と思い始めたのである。
 これは一般人にのみならず、経済界の指導者層も同様
だった。経済学者や経済評論家も同じだった。
 日本中がバブルに浮かれていたのである。一種の集団
催眠に罹っていたようなものである。
 しかし、私は「こんな景気はもうすぐ終わるし、地価
だって下がる」と思っていた。
 バブルの只中で、実に醒めた見方をしていた。
 私の周囲の人にも、そう言っていたのだが私の言うこ
となど誰も信じようとはしなかった。
 軽くあしらうか、口論になったりもした。
 私の意見に同意する人は、一人もいなかった。
 おそらく、日本中探してもいなかったかもしれない。
 当時は、そんな状況だった。
 その後日本は、10年以上も景気の低迷期を過ごすこ
とになった。

 今回のサブプライム問題は、おそらくあのバブルの時
よりも回復は早いと思われる。
 事態を問題として認識しているからである。
 この問題は、プロでも結果がどういった方向に進むの
か明言できないほど複雑なものだと言う。
 それでも、良くない事態を良くない、と認識されてい
る。これは、これで素晴らしいことである。

 少しの間、このサブプライム問題の余波で景気の低迷
は避けられそうにも無いが、それもそう長くは無いと思
う。

 経済は定石どおりに進行してくれれば楽なのだが、な
かなかそうも行かないようだ。
 それも経済が、人の欲と思惑で成り立っている以上、
仕方が無いことなのかもしれない。
 人間が複雑である以上に経済も複雑なのだろう。