不二家憩希のブログ

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日本シリーズのパブリックビューイングに思う

 プロ野球日本シリーズでは、中日と日本ハムの地元
では、パブリックビューイングが行われていた。
 パブリックビューイングというのは、大勢で集まっ
て大型スクリーンやモニターで試合などを観戦するこ
とで、近年日本でもモニター設備の普及などもあるの
か、大型のスポーツイベントの折には、各地で行われ
ているようだ。
 パブリックビューイングは、野球だけではなく、サ
ッカー等でも行われている。
 メディアでは、パブリックビューイングに参加して
いる人達の熱狂振りを伝えることが多い。一般人が、
あれほど所謂、素の状態で興奮しているのを見つける
ことは他ではまず不可能だからだ。
 特に日本人の場合、諸外国の人達と異なり、感情を
公共の場で表に現すことはごく少ない。

 私は、パブリックビューイングで真っ赤になって応
援している人達をテレビなどで見ていると、「家で観
れば良いじゃないか?」と、いつも思ってしまう。
 あんなに沢山の人達の中で映像を見て、面白いのか
な?と思うのである。
 家にテレビが無いわけでもあるまい。
 なのに、わざわざ出かけて行って声を枯らしている
のである。
 私には、理解できない世界である。
 参加者達は、皆で応援すると楽しい、興奮を共有す
ると嬉しい、のだそうだ。
 これは、一種の集団催眠である。
 あの人達は、他人の反応が確認できないと自分の感
情も把握できないのではなかろうか。
 他人の感情の波に自らを埋没させることにより、精
神的な陶酔憾を得ているのではなかろうか?

 パブリックビューイングの様子を見ていると、普段
は大人しそうな人が、ギャー!とか叫んでいるのを観
ると、滑稽でもあるし嫌になってしまうのである。

 そんなこと、各々の自由だから良いのではないか、
と言われそうだが、私はあの光景を見るたびに、大衆
の集団興奮とは何か、ということを思い起こす。
 人の内面に潜んでいる熱狂が、政治家や策略家に扇
動されると、国家はいとも簡単に戦争に進んで行って
しまうということを、忘れてはならないと思う。

 野球に熱中しているうちは、まだ良いのだが、あら
ぬ方向に進まないように気をつけていなければならな
いと思う。
 権力者は、使えるものは何でも使おうとするので、
要注意しなければならない。
 日本人は、これで結構熱くなりやすい集団だからで
ある。