不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

準同姓同名に戸惑う

 夕方、暗くなった頃、班長さんが家に来られた。
「また訃報だけど」と言って、いつものお知らせの小さ
な紙を手渡された。
 町内での訃報は、こうして各班長さんが各戸を回って
この紙を渡していかれるのである。
 さて、その訃報を読んでみる。
 訃報の紙には、少しだけ注意が必要である。
 以前、ベルホールをメルボルンと記載した前科?があ
るからである。
 式場は、当町内ではお馴染みの所だ。メルボルンでは
ないのか。
 亡くなられた方も喪主も、私はよく知らない。
 だが、両親の葬儀の際に香典などを頂いていれば、お
返しに参上しなければならない。
 早速調べてみる。
 喪主が、3班の吉田 明(仮名)さんか。
 無いな。
 おや、同じく3班で吉田 昭(仮名)と言う方からは
頂いている。
 3班の吉田 明さんと吉田 昭さんか。
 これって、ひょっとして同一人物なのか?
 ひょっとして、姓名判断とかで名前の読みはそのまま
で、漢字だけ変えたのかもしれない。
 改名というのは、大っぴらには行われないが、時には
今でもあり得ることである。
 もしくは、代理の人が記帳されて、名前の字を間違え
たのかもしれない。
 よしだ あきら、えーっと、あきらってどんな字だっ
たっけ?ということで誤った字を書いてしまったのかも
しれない。
 さて、どうしようか。
 電話帳で調べてみると、吉田 明さんの記載はあるが、
吉田 昭さんでは載っていない。
 となると、やはりこれは、改名か記入間違いのどちら
かだろう。
 私は、そう結論付けた。それでは、またお通夜で失礼
しようか。
 一度は、そう決めたのだが、どうも納得いかない感じ
もする。今時、中途半端に名前の漢字だけ変える改名な
んてするのだろか?
 そう思い、再度調べてみることにした。
 さて、どうやって調べようか。
 私は、町内の世帯主が班別に記されているプリントの
存在を思い出した。
 私は、こういった書類を安易に捨てはしないが、かと
いってきちんと整理をしているわけでもない。
 時間をかけて何層にもなっている紙の中から、やっと
そのプリントを発見した。
 え~と、3班の吉田 明さんは?と見てみる。
 するとそこには、吉田 明さんも吉田 昭さんも載っ
ているではないか!
 しかも、お二人は隣同士である。
 同姓で、字は異なるものの読みは同じ、ふたりのよし
だ あきらさんが隣り合わせで住んでいるとは!

 同姓同名ではないものの、準同姓同名のお二人が隣同
士で住んでいると言うのは、ちょっと珍しいのではなか
ろうか。
 
 もし、よく調べていなかったら、勘違いをしたままで
済んでしまうところであった。

 通夜も葬式も、基本的に招待されるものではないので、
参列者は自分の意思を確認しなければならない。
 このあたりが、他の行事やお付き合いと異なる点であ
る。
  いつものことなのだが、不祝儀には戸惑ってしまう。
 早く慣れたいのだが、なかなかそうも行かないようで
ある。