不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

帽子をかぶらない工事の人達

 お盆休みもあけて、国道を行くクルマの流れもいつも通り
になったようだ。
 社用車の白いワゴンやバンが町に戻ってきたのを見かける
と、休みも終わったのだなぁ、と感じさせてくれる。
 昨日は、猛暑も一休みだったので、これから徐々に涼しく
なるのかな、と思っていたら、太陽はそんな私の甘い思惑を
簡単に覆してくれる暑さを見舞ってくれた。
 この暑さは太陽だけのワンマンプレーではないのだろうが、
主犯は間違いなく太陽である。
 何しろこの8月だけでも、日本中で50人以上の人の命を
奪っているのだから、今年の夏の太陽は凶悪である。

 自転車で国道を行くと、交通整理の警備の人が旗を振って
いる。
 工事中である。
 見ると、道の端を大きく掘っている。水道工事か電気工事
か?
 工事の人が掘られた細長い穴の中で作業をしておられる。
 頭にはタオルで鉢巻をしている。
 でも帽子はかぶっていない。
 こんなに暑いのに、帽子をかぶらなくても大丈夫なのだろ
うか?鉢巻では、用は足りないと思うのだが。
 交通整理の人は制服と制帽なので頭は保護されているのだ
が、工事の主役の方々は帽子をかぶっていない。
 これは、どうしてなのだろうか?
 帽子をかぶると、いなせな感じがしなくなってしまうから
なのだろうか?
 そういえば今まで工事の人が帽子をかぶっていたのを見た
ことはない。時にヘルメット着用の人を見たことはあるが、
帽子の人は見たことはない。
 帽子をかぶるということは、彼らの美学に反するのかもし
れない。
 頭には鉢巻までで、帽子なんかかぶらない、というのがあ
の業界の知られざる掟なのかも知れない。
 けっ、つばのあるものなんかかぶれっかよぉ、といったと
ころなのかもしれない。
 それでも、この太陽の殺人光線をかわすには、やはり帽子
の着用は必要だと思うのだけれど、どうなのだろうか。
 アスファルトの照り返しもあって、現場の暑さはうんざり
するほどである。この暑さに直射日光が加われば、太陽の思
う壺である。
 帽子をかぶればいいのに。

 工事の人は、己の美学のためか、それとも業界の慣例のた
めか帽子をかぶらないで作業を続けておられた。
 ここで、ひとつ作業服飾のトレンドが変わって、工事の時
に帽子をかぶるのがお洒落、という風にならないだろうか?
 この暑さに鉢巻だけでは危険すぎると思うのだ。

 私は工事現場の誘導路を通ってそこから立ち去った。
 嫌がらせのような日差しが私を照りつけ、アスファルト
それに協力している。
 自転車のタイヤも溶けだしそうな暑さの中、私は目的地へ
向かった。