不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

廃品回収と女性の力

 今日は、地元の中学校の父兄会が廃品回収に来る日であ
る。
 これは毎年今時分に行われていて、本年も一ヶ月前から
回覧板で予告されていた。
 集めるのは、新聞や新聞チラシ、雑誌といった古紙類と
不要になった食器などの日用品である。
 古紙は専門業者に引き取ってもらう。
 これも、数年前までは古紙価格が低迷していたので、あ
まりお金にはならなかったのだが、最近の中国を中心とし
たアジア圏の経済発展により古紙価格も急騰し、少しは収
入も確保できるようになってきたそうである。
 中国の経済発展が日本の中学校の父兄会の財政にまで影
響を及ぼしているのであるから、地球も狭いものである。
 日用品は、秋に開かれるバザーで販売され収益となる。
 リサイクルなどという言葉が流行・定着する前に、私た
ち市民は地道に活動してきたのである。
 紙と封筒だけでお金を集めようとする、どこかの偉い神様
とは大違いである。

 私の家から出して上げられるのは、今年は古紙と食器位
のものである。
 新聞紙とチラシは、一日の寿命のあとは毎日溜まってい
く一方なので、こうして回収に来て頂けるというのは有難
いことでもある。
 私はいつも、新聞紙は倒れない程度に目いっぱいの50
cmの高さまで積んで縛っている。
 縛ってみて、あーちょっとこれでは女の人が運ぶには重
過ぎるかな?とも思ったが、いつも通りにしてしまった。
 チラシ類も同様に50cmの高さで縛る。
 こちらはチラシの他にも、パンフレットやカタログやら
と重い紙類が多い。
 タダだから受け取って、と色々と送られてきたり渡され
たりするのである。いりません、と言えばよいのだが、つ
い言いそびれて受け取ってしまう。粗品も一緒に貰ったり
すると、いりません、とは言えないものだ。
 モノにつられてゴミも増やす、私も立派に現代人である。

 さて、縛った新聞紙を持ち上げてみる。まぁまぁの重さ
だ。チラシの方は、結構重い。紙質が良いので重いのだろ
う。大丈夫かな?と少々不安もる。

 日用品の方は今回はガラスのコップにした。
 ガラスのコップといっても、その昔、武田のプラッシー
とヤクルトを飲んでいた頃に景品で貰ったものばかりであ
る。ちなみにボール箱に入っている。
 プラッシーのコップもヤクルトのコップも、デザイン上
そうなってしまったのかもしれないのだが、器として小さ
すぎて実用的ではないのだ。この大きさでは、ジュースも
ビールも飲みづらい中途半端な大きさなのだ。
 それでこの際放出することにした。
 これらは、母が物置の奥にしまっていたものである。
 母は何でも頂いたものは大事にしまっておく方だったの
だが、大事にしまっていたというよりも、使い道が無いの
で死蔵化してしまっていたと思われる。
 供出しても母も許してくれるだろう。

 朝8時までに家の前に出して置いてください、とのこと
だったので、7時半に古紙とコップを持ち出した。
 古紙は、やっぱり重い。
 その古紙の上にコップを並べて置いた。

 8時25分に家の前に一台の銀色のハッチバックが止ま
った。
 廃品回収にしては、おしゃれなクルマだ。
 軽トラがゆっくりやってくる、と思っていたので意外だ
った。
 中からPTAと思われる女性が二人降りて来た。
 すると、重いはずの古紙をひょいっと片手で掴んでクル
マに載せてしまった。
 重そうなそぶりはまるでない。
 母親の腕力、おそるべし。

 女性は嫁入り前は、非力に、か弱く見せておいても、実
は相当強いのだろう。
 弱そうに見せるのも、ある種の術なのかもしれない。
 心配して、損をした気分である。
 
 私は女性は弱いものだという先入観で行動して何度も痛い
目にあっているので、少しは学習しているつもりなのだが、
どうもまだまだ甘いようである。

 銀色のハッチバックは、滑るように動き出し、お隣にも止
まったようだ。

 能書きよりも実を求める女性のたくましさには、私はいつ
も圧倒されている。