不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

味の便り

 寝床について少しした頃、玄関のチャイムが鳴った。
 続いて戸を叩く音。
 誰かと思えば、クロネコヤマトの宅急便である。
 今日は、別の叔父からの届け物である。
 おや、この叔父の息子、つまり私のいとこは郵便局に
勤めているのに、ライバルのヤマト運輸を使ってもいい
のか?とも思ったが、そんな堅いことを考えていたら、
世の中やっていけない、と思い直した。
 触ってみると、どうも保冷便で届けられたようなので、
中身を確認しなければなるまい。
 私は普段は、貰った物はそのままにして気が向いた時
にゆっくり確認する、という悠長な行動様式をとってい
るのだが、相手が生ものではそうはいかない。
 しかも、昼間は熱中症で各地で多くの方が倒れられて
いるような時期である。
 私は、早速包装紙をはがすことにした。
 中は、そばとそばつゆ、おたふく豆とうぐいす豆、ヤ
マメの甘露煮、野沢菜の漬物の詰め合わせである。
 この中ではおたふく豆とうぐいす豆と野沢菜の漬物が
要冷蔵となっているので、そのまま冷蔵庫に入れた。
 それから、夜も遅いのでそのまま就寝することにした。

 翌日、送られてきた品を確認してみた。
 どの品も、叔父の地元の銘店の春月という店のものだ
った。
 私は、こういう地域色豊かな品物が大好きである。
 普段、大手食品メーカーの特売品ばかりを食べている
私にとっては、たまにこういう物にありつけるというの
はとてもよい暮らしのアクセントになる。

 食品メーカーは全国に存在しているのだが、それらの
多くは、その地域だけの営業展開というところが多い。
 だが、その味は大手メーカーの物と比較して劣るとい
うことは殆どない。
 むしろ多くの場合、その会社の独自性が大いに発揮さ
れているので、味覚の点では大手を大きく引き離してさ
えいるのだ。
 ではどうして、そういった優秀な食品会社がローカル
な存在のままでいるのかというと、それはやはり営業戦
略の点で大手と比較すると弱いためである。
 食品は、広く知らせることが最も重要なのである。
 大手食品メーカーがTVCMにかける経費が莫大である、
ということは良く知られている事実である。

 だが、最近ではネットの普及により、各地の食品メー
カーも販路を延ばしつつあるようだ。
 今まで知らなかった食品が、ネットを通じて知られる
ようになってきているのだ。
 食品会社こそ、ネットを大いに活用すべきなのである。

 それから私は、配送伝票を見て叔父への礼状のハガキ
を書いた。
 内容は、お礼と私の近況である。
 ざっと書いた私の近況を読んで納得していただけるの
であろうか?

 私は、いつものスーパーの日曜特売に行く途中で、郵
便局のポストに入れた。
 また、今日も暑そうである。