今日のように天気が良いと有難い。
洗濯物は早く乾くし、布団も干せる。
何より、気分が良い。
町内の班長さんが、区費の集金に来られた。
いくつか、優しい言葉をかけて頂いた。
思い出せば辛くなるが、忘れてしまうのも辛い、ということが、
人の世にはあるのだ、ということを認識した。
記憶が人を支える、ということがあるのだろうか。
記憶は過ぎ去ったものであり、実在ではない。
繰り返し反芻することが可能な、一種の物質である。
度々取り出しては、懐かしさにひたっても、いずれは現実世界に
帰ってこなければならない。
楽しい記憶だけを繰り返すことが、人間には可能なのだろうか?
また、そうすることは、その人間にとって良きことなのであろうか?
記憶は、幻想の元になりうる。
幻想も軽度のものならまだしも、重篤になれば病である。
幻想が、人の目に霞を作り覆ってしまう。
見えない目で、何かを見ようとし、推測の上に推測を重ね、幻想はよ
り強固になっていく。
人の退化は、ここからも始まるのである。