不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

記憶と忘却の狭間で

 今日のように天気が良いと有難い。
 洗濯物は早く乾くし、布団も干せる。
 何より、気分が良い。

 町内の班長さんが、区費の集金に来られた。
 いくつか、優しい言葉をかけて頂いた。

 思い出せば辛くなるが、忘れてしまうのも辛い、ということが、
人の世にはあるのだ、ということを認識した。

 記憶が人を支える、ということがあるのだろうか。
 記憶は過ぎ去ったものであり、実在ではない。
 繰り返し反芻することが可能な、一種の物質である。
 度々取り出しては、懐かしさにひたっても、いずれは現実世界に
帰ってこなければならない。
 楽しい記憶だけを繰り返すことが、人間には可能なのだろうか?
 また、そうすることは、その人間にとって良きことなのであろうか?

 記憶は、幻想の元になりうる。
 幻想も軽度のものならまだしも、重篤になれば病である。
 幻想が、人の目に霞を作り覆ってしまう。
 見えない目で、何かを見ようとし、推測の上に推測を重ね、幻想はよ
り強固になっていく。
 人の退化は、ここからも始まるのである。