私は町内会の班長の引き継ぎにお隣のKさん宅へ行
った。
班長に引き継がれる書類や道具「7つ道具」が入った
袋を持っていく。
大きめのエコバッグくらいの大きさである。
7つ道具と言っても特別なものではない。
班長が預かっている品と言えるだろう。
この袋を喜んで受け取る人は少ないだろう。
向こう一年間は班長としての業務が待っているからで
ある。
業務内容に難しいことは何もない。
普通の社会人であれば誰でもできることばかりである。
だが、確実性が求められる。
難易度の低さゆえに完璧であることが求められる。
また「あの人とはウマが合わないので」といったエゴは
一切出せない。
内心気に入らない人のお宅にも愛想良く伺い、集金して
こなくてはならない。
加えて、班内で人が亡くなると班長が中心となって動く
ことになる。
通夜・葬式は、即時対応が原則である。
そのため長時間お留守、つまり遠方への旅行、泊りがけ
の旅行ができない。
班長は、難しくはないが簡単ではないのだ。
~続く~