私は食料品の買い出しなどの用事で自転車で家を出た。
途中、隣の町内の連合会の神社の前を通った。
境内に直径1.5メートルほどの大きな鍋が置かれそこから
白い湯気が上がっている。
境内には男性が十数人いる。
何をしているのだろう?
なにかを沸かしているのか、煮ているのか?
気になるなぁ。
寄って尋ねてみようか。
否、まずは自分の用事を優先させなければ。
空は黒雲満載の梅雨空でいつ降ってくるかわからない。
私は好奇心を振り切って神社の横の道を走って、いつも
のスーパーに向かう。
買い出しも済、スーパーを出て、場所を変えその他の用
事も終わった。
私は神社からは遠回りの場所に来ていた。
あの鍋が気になるなぁ。
私は再び神社に向けて走り出した。
着くとすぐに境内に入る。
鍋の世話している人が指示を出す。
なにか緊張感があるな。
食べ物を調理するのではなさそうだ。
では何をしているのか?
私は男性に尋ねた。
「今度のお祭りの花火・・・」
そう言って黙ってしまった。
おぉ、この空気は。
私はここではよそ者である。
そんな奴に細かく教えることではない、という様子である。
あぁ、そうですか。
私は小さくなって神社を退出した。
う~ん、花火の何をしているのだろう?
鍋でお湯を沸かして行事の無事を祈る行事をするのだろうか?
気になるなぁ。