クバンド・クィーンにも注目が集まっているようだ。
私はクィーンは、”ほぼ”リアルタイムで知っている。
”ほぼ”であって、デビューしてから数年のことは後追い
でしか知らない。
クィーンがデビューした頃には、まだ子供でロックやポッ
プスには興味がなかったのだ。
その後私はロック少年となった。
情報源はラジオと音楽雑誌が中心である。
ミュージックライフを熟読していた。
そんな私でも当時はまるで知らなかったこと、気が付か
なかったことがある。
フレディ・マーキュリーの出自についてである。
フレディはペルシャ系インド人のパールシーで本名はファ
ルーク・バルサラと言うそうだ。
えぇ~、知らなかったなあ。
私がこれを知ったのは、つい数年前のことである。
当時の雑誌には、そうしたことを匂わせる記述すら無かっ
た。
「父親はインドの英国領の外交官事務所の事務官で、フ
レディはそこで生まれ育ち、後に英国本土に移った」とされ
ていた。
それも記事の片隅に小さく書かれているだけだった。
私はアングロサクソン系の両親が英国領に派遣されてい
たのだと思っていた。
だが、同時に(フレディだけ他のメンバーと顔立ちが違うな
ぁ)とも思っていた。
マーキュリーという苗字も変わっているなぁ、とも思っていた。
そうは思っても、それが芸名だとまでは思いが至らなかった。
間抜けな中高生の知力では、そこまでの推測は働かなった。
同級生の友人とも「変わった苗字だ」と話し合ったことがあっ
た。
日本にもマーキュリーというレコード・レベールがあるんだか
ら、あるに違いないという意見が出たりした。
結局は「英国や米国には、自分たちが知らないだけでマーキ
ュリーという苗字があるんだろう」ということで落ち着いた。
雑誌編集部では、フレディの生い立ち等は知っていたのだろ
うか?
おそらく知っていたのだろうが、あえて伏せるか目立たないよ
うにさせていたものと思われる。
フレディ自身は、自分の出自についてメディアには触れてほ
しくなかったようだ。
その意向とは逆に、中近東風のエキゾチックなサウンドを持
った曲を発表したり、非西洋的で特徴的な掛け声や合いの手
を多用していた。
それらを聞けば人によっては感づいてしまうかもしれないの
にである。
う~ん、フレディってよくわからないなぁ。
才能がある人ってそういうものなのか?