では、○○寺へ行くとするか。
○○寺は、市内にある有名寺院で全国から参拝者が
集まる。
強力なご利益が与えられる霊場で、近年はパワースポ
ットとも呼ばれている。
境内は、外とは空気が違う。
本当に神仏がいるかも?と誰もが思う雰囲気がある。
「そんな有り難い所なら朝まず参拝して、それから一日
を始めるべきだ」という声もあるかもしれない。
実際、朝5時から開門していて、参拝してから出勤・始
業される方も多い。
私は、そこまで熱心な信者ではない。
否、信者とは言えないだろう。
時々気が向いた時に参拝するだけなのだ。
今日も気が向いて時間があったので、行く気になったの
だ。
山門から入り、参道を歩く。
なだらかな石段を登り、拝殿前に着く。
祈念をして振り返る。
その時、セミの声が聞こえてきた。
ツクツクボウシだ。
まだいるのか!
まぁ、ここは外社会とは違うからなぁ。
木もたくさんあり、手入れされた自然が残っている。
う~ん、このツクツクボウシは、今年の鳴き納に入れて
良いものか?
ここは例外だろう。
異空間すぎる。
ここだけ、まだ夏なのかもしれない。
境内は時間の経過すら違っているのかもしれない。
ツクツクボウシの鳴き声を聞きながら私は参道を戻る。
山門を出ると、少し涼しい感じがした。