不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

久しぶりの通夜。その③

 通夜会場は半分に削られている。
 始まる前から「弔問客は少ない」と見越していたのだろ
うか。
 これは葬儀会場側からの提案ではあるまい。
 喪主らが申し出て、椅子を取り払ったのだろう。
 思い切ったことをしたなぁ。
 ガラガラの椅子を見せるのが嫌だったのか?
 今回の喪主かその家族に見栄っ張りな人がいる、という
話を聞いたことがある。
 そのためであろうか。
 私は一般席に座った。
 やった、座席を確保した。
 これで一安心である。
 座っていろいろ考える。
 通夜の席は、思索にはもってこいの場である。
 特に人の生死を考えるには最適な場所の一つである。
 会場正面には遺体が安置されている。
 遺体があるだけで、場のムードがそれに支配される。
 馬鹿騒ぎやおちゃらけは許されない。
 このような環境は、日常では他に殆ど無い。

 ~続く~