故人は私とは直接の面識はないと思う。
もっともこちらが知らないだけで、どこかで何かでお世話
になっているであろう。
世の中そういうものである。
知らなくても出るものには出る。
これも娑婆の義理である。
そう言えば昨年からこの日まで、弔事が一度もなかった。
一年半以上もの長い空白だった。
私は会場に向かう。
開式が7時なので、その30分前までには着いていたい。
ギリギリに到着して立っての参列は避けたい。
私は座りたい。
足腰が悪いというわけではない。
ただ、座りたいだけなのだ。
電車やバスと同じである。
席を確保するためには出来るだけ早く行くに限る。
だが、早すぎても会場の準備が出いていないであろう。
それを考慮すると30分前に到着が最適だと私は判断して
いる。
予定通りの時刻に会場に着いた。
この時間帯はまだ明かるい。
昼間の猛暑もおさまり、時折涼風も吹いている。
~続く~