ていた。
ちょうど目が覚めたのでラジオを入れたのだ。
その時間は「話芸100選・落語」で古典落語二題だった。
テーマは廓噺だった。
廓噺、現代で言えば風俗産業の話である。
売春斡旋とそこに行くお客の話である。
ンタリーだと不可能である。
長い時間が経過し、落語という文化にパッケージングさ
れると売春の話も放送できるということである。
この日の演者は、三遊亭天どん師匠と柳亭左龍師匠だ
った。(以下敬称略)
二人共も面白いのだが、特に柳亭左龍が素晴らしかった。
「羽織の遊び」という噺を、実に巧みに聞かせてくれた。
通りの良い美声で、言葉の一つ一つがはっきりと聞き取
れる。
登場人物の声色を一人ひとり全部変えて演じるのである。
口調も声も同じ人物が演じているとは思えないほど多彩
なのだ。
これは珍しい。
というよりなかなか出来ない技である。
落語家でこれをやっているのを私は初めて聞いた。
漫才ではオール阪神・巨人が時々使う技である。
天才と呼んで良い。
将来、大御所噺家になることは間違いないであろう。
「柳亭左龍」で動画検索をすると、いくつか聞くことが出来ます。