不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

柳亭左龍を知る。

 1週間前の深夜1時、私はNHKラジオ深夜便」を聴い
ていた。
 ちょうど目が覚めたのでラジオを入れたのだ。
 その時間は「話芸100選・落語」で古典落語二題だった。
 テーマは廓噺だった。
 廓噺、現代で言えば風俗産業の話である。
 売春斡旋とそこに行くお客の話である。
 古典落語なのでNHKでも放送できるが、現代のドキュメ
ンタリーだと不可能である。
 長い時間が経過し、落語という文化にパッケージングさ
れると売春の話も放送できるということである。
 この日の演者は、三遊亭天どん師匠と柳亭左龍師匠だ
った。(以下敬称略)
 二人共も面白いのだが、特に柳亭左龍が素晴らしかった。
 「羽織の遊び」という噺を、実に巧みに聞かせてくれた。
 通りの良い美声で、言葉の一つ一つがはっきりと聞き取
れる。
 登場人物の声色を一人ひとり全部変えて演じるのである。
 口調も声も同じ人物が演じているとは思えないほど多彩
なのだ。
 これは珍しい。
 というよりなかなか出来ない技である。
 落語家でこれをやっているのを私は初めて聞いた。
 漫才ではオール阪神・巨人が時々使う技である。
 柳亭左龍、凄い才能の噺家である。
 天才と呼んで良い。
 将来、大御所噺家になることは間違いないであろう。
  

 「柳亭左龍」で動画検索をすると、いくつか聞くことが出来ます。