新聞、雑誌、一般書籍である。
テレビやラジオはそれらをもとに再構成しただけであ
る。
活字に書かれると、そこに権威が生じた。
それが真実だと思ってしまうのだ。
調べようがない事実についてはなおさらである。
呑みにしてしまう。(以下敬称略)
これには無理からぬわけがある。
哲哉が雑誌の取材等でみつ子について「僕の姉で
す」と各所で語っていたのだ。
哲哉は冗談として軽口に交えてそう言ったらしい。
だが、言われた方は(そうなのか!)と受け取ってし
まう。
そして、それを記事にしてしまう。
読んだ一般人は(なるほど!)思ってしまう。
以降訂正もなく年月は過ぎ、記憶は固定化されてし
まう。
哲哉に悪気は一切無いのであろう。
このエピソードに実害は無い。
傷ついた人もいない。
よって(なぁんだ)で済む話である。
おそらく、こうした例は他にもたくさんありそうである。