町内会長はプリントに記された金額について説明をし
ていく。
皆黙って聞いている。
説明が終わり会長は皆に向かってこう言った。
「では、賛否を取ります。賛成の方は拍手をお願いしま
す」
えぇ?
それだけ?
反対の人はどうすれば良いのか示されていない。
賛成前提なのか?
独裁政治のようではないか。
一瞬場内が沈黙した。
1.5秒後拍手が起こった。
ここは空気を読んで反対意見を出さないのが日本風美
徳なのか。
私は特に反対というわけではない。
ただ反対の意見を想定していないシステムには疑問を
持った。
会長に悪気は無いと思われる。
反対意見を封じ込める意図も無いだろう。
ただ長年、こうして町内会は運営されてきたようだ。
今年度の会長もそれを踏襲しているだけであろう。
こうした「伝統」を悪用し勝手なことを決めてしまった年
度も過去にはあったようだ。
そうした決定の弊害は次年度以降にも持ち越されてお
り、それに対する非難や改正もあった。
そこから皆さんいろいろと学んだようである。
~続く~