会場は本題に入る。
この会合の主たる目的は主に二つある。
ひとつ目は今年度の行事予定とそれに伴う各班・各人
への協力の要請と確認である。
会長が配布されたプリント資料に則って説明を始める。
行事によって参加者が異なる。
町内全体での参加行事であるお祭りと、その年に回り
番により参加の班が異なる行事とがある。
メインはやはりお祭りである。
お祭りは当町内会の単独行事ではなく、町内連合会で
の行事となる。
予算の規模もケタ違いである。
町内会が3月が年度初めとなっているのは、このお祭り
が4月上旬に行われるからである。
保守的な傾向が強い土地柄の当地において、年度初め
をひと月前倒しにするほどの行事なのである。
別の言い方をすれば、お祭りが無事済めば町内会活動
のかなりの割合が消化できたということでもある。
各町内会は他の町内会と連携協力してお祭りを運営す
る。
お祭りの運営においては、楽しいことばかりではない。
(正直これはやりたくないな)と言う業務もある。
他の社会であれば専門業者を雇って処理してもらうと言
うような業務もある。
それらを、どこの町内会が受け持つか、受け持つ代わり
に譲歩される業務は何か、と言ったことが重要となる。
会長は他の町内会との会合において、それらを折衝して
くる。
丸め込まれたりやり込められてはならない。
みすみす貧乏くじを引かされることは、あってはならない。
高い渉外力が要求される。
町内に持ち帰って町内の皆が「まぁ納得」「了承できるかな」
という条件を獲得してこなければならない。
会長の任は重大である。
~続く~