自転車に乗って家を出る。
大風が名物の当地としては、珍しく無風である。
用事をいくつか済ませる。
前回訪問時にお留守だったお宅が、今回はご在宅だ
った。
これは、ラッキーである。
幸先が良い。
私は移動して、用事を片付ける。
日差しが強い。
天気予報通りである。
気温が上がっているのが、体感でわかる。
自転車で走っていても、汗が出てくる。
湿った空気に高温で、暑さは増している。
こんなことなら、もっと夏向きのシャツを着てくればよか
ったなぁ。
ここでそう思っても遅すぎる。
すると、風が吹き始めた。
これはナイスタイミングである。
これで暑さも少しは和らぐだろう。
いつも迷惑にしか思えない当地の大風も、こんな時に
はありがたく感じる。
私は追い風を背負って家路を急いだ。