不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

ギター破壊、ドラム破壊。

 昨日のブログ記事に載せた動画の後半部分には、爆
発するアンプの様子が写っていた。
 これは、1970年代のディープ・パープルのライブにおけ
るアクシデントである。
 リッチー・ブラックモア氏とスタッフが共謀して、アンプの
爆発を図ったのだ。(以下敬称略)
 あらかじめ計画していたことで事故であって、事故では
ない。
 ただ、仕掛ける火薬の量が多すぎて、想定以上の爆発
となったのだ。
 リッチーは、ライブを混乱させるつもりは毛頭なかった。
 ステージに派手な演出が必要だと考え、行ったのだ。
 現代だと「えぇ~、何それ~?!」といった反応があるか
もしれない。
 だが、70年代までは、ロックのコンサートにおいてそれく
らいやっても、特に誰も驚かなかった。
 「へぇ~、すごいねぇ」という声は上がっても、「やり過ぎだ」
とはならないのだ。
 そういう時代だったのだ。
 1967年にTHE WHOピート・タウンゼントがギターをステ
ージの床に叩きつけて壊した。
 ギターのネック部分を持って振りかぶり、アンプ目がけて
振り落とす。
 これを何度も繰り返し、最後にギターをアンプに突き刺す。
 同じくTHE WHOのドラマー、キース・ムーンはドラム・セット
を蹴ったり放り投げたりして破壊した。
 これらのアクションが観客に大いに受けた。
 他のロックのトップミュージシャンたちも、これに倣った。
 特にギター破壊は、広く行われた。
 ちなみに壊したギターは、そのほとんどがイミテーションで
ある。
 一応音は鳴るが、安物である。
 壊す少し前に、観客に見つからないように交換するのだ。
 当時そんな裏事情はつゆ知らず、私たちは(毎回高いギ
ターを壊して凄いな)と思っていたものだ。
 しかし、段取りが破たんしうまく交換ができず、泣く泣く愛
用の本物のギターを壊すこともあったそうだ。