不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

体重を量る。その②

 私は体重を増やしたい。
 今のままだと、重篤な病にかかった場合、耐久力
が維持できない恐れがある。
 病による食欲不振により絶食状態もしくはそれに
近い状態に陥った場合、標準的な人なら一カ月くら
いは絶食にも堪えられる肉体的蓄積がある。
 だが私には、それが無い。
 よくもって1週間から10日くらいだろう。
 標準体重の人の時間的猶予が一カ月あるのに対し、
私は1週間から10日ほどしかないのだ。
 その猶予期間内に体力が持ち直せば、治癒に向か
うのであろうが、私には猶予期間が短く治癒の時間
がとれず、それまでに没してしまうかもしれない。
 これはできることなら避けたい。
 肉体的蓄積を増やし、猶予期間を延ばしたい。
 そうするには、太るしかない。
 しかし、太るのは容易ではない。
 この9年間、私は試行錯誤を繰り返してきた。
 太りそうなこと、太るといわれていることは殆ど行っ
てきた。
 太るという食べ物を食べ、運動もしてきた。
 それでもまるで変化はなかった。
 痩せている人間が太ることは、難しい。
 簡単そうに思えるかもしれないが、そうではない。
 私は、既に諦めつつあった。
 希望は残しつつも、無理なことは無理と悟ることも
必要である。
 人間の肉体は必ずしも、その当人の思うようには
ならないことが多い。
 それが肉体というものなのかもしれない。
 そう思っていた私に予期せぬ変化の兆しが見え
始めたのだった。
 
 ~続く~